潮4月号エッセイ「奨学金の思い出」のお知らせ

5日発売の月刊『潮』4月号で、エッセイを書いています。
「奨学金の思い出」という題です。

私は出身大学に密かな母校愛を抱いているのですが、それは奨学金で学生生活を支えてくれたことが大きいです。
こういう書き方だとゲンキンな感じがしますね……
私の高校時代は家が荒れているわ、嫌になって外に出れば犯罪被害に遭うわで、受け皿もなく散々でした。進路未定のまま高校をギリギリ卒業して、しばらくはバイトしていたものの、一念発起して何とか大学に合格。
そんな嵐のような時期を超えて入学したら、気が抜けたのもあって、ブラブラするばかりのダメ学生になりました。特に最初の2年間は。
それでも大学は、厳しい経済状況だけを見て、給付型奨学金を出し続けてくれました。
奨学金の重みと、何より母校の懐の深さを実感したのは、社会人になってからです。

今年4月からは、大学など高等教育の修学支援新制度(いわゆる「無償化」と呼ばれているもの)がスタートします。
「金もらってる学生は出席率や成績を厳しくチェックされて当然だろ」という意見もあるでしょう。
でも苦境を超えてきた子ほどホッとして停滞する時期もあるだろうし、アルバイトなどの事情もあるだろうし、余裕をもった見方が広がってほしいなと私としては願っています。

『実像』を読んだ編集者さんからのご依頼で、お題自由だったので、恥ずかしながら自分の経験にも触れつつ書きました。
よろしければお手にとってみてください。