文藝春秋デジタルの連載「”東大女子”のそれから」第2回が公開されました。
2007年教育学部卒の里美さん(仮名)、元会社員で現在は東大大学院の博士課程に在籍中です。
話の軸となるのは、家庭環境の格差。
彼女は首都圏近郊の文教地区で高校まで暮らし、親が研究者など教育レベルの高い家庭の子たちと、方言で話す土着の家庭の子たちの間で育ちました。
地元では両者の中間に位置していた彼女ですが、本人いわく「まぐれ」で入学した東大で落ちこぼれて初めて、自身が東大ではマイノリティだと気づきます。
両親が高卒の彼女は、いわゆる「ファースト・ジェネレーション」=親が大卒でない家庭から初めて大学へ行く子。米国の名門校だったらサポートの対象ですが、残念ながら当時の東大にはそのような配慮は手薄で……
日本では東工大でファースト・ジェネレーション対象の奨学金枠ができたところですが、里美さんが言うように「見落とされてきた層」だったのかなと。私自身もファースト・ジェネレーションなので、里美さんが学生時代に先を見通せず常にあたふたしていたという話を聞きながら、共感すること多々でした。
まして東大では、女子というだけでマイノリティ(第1回の中野信子さんいわく「東大女子は第二人類という扱い」)。里美さんの苦労は言葉以上のものだったろうな、と感じます。
ただ彼女の場合、当時のハンデが今の研究に繋がっていきます。
興味を持っていただけたらぜひご一読いただけると嬉しいです。