連載「ルポ男児の性被害」第5回について

文藝春秋電子版での連載「ルポ男児の性被害」第5回が公開されています。
赤池雄介さん(仮名、41歳)。小学3年生の時、見知らぬ成人男性から性被害を受けた方です。
わずか30分ほどの出来事で、赤池さんや家族の人生が大きく変わってしまったこと、今も続く苦しみを語っていただきました。

2月から取材を始めてお話を伺ってきましたが、個人的に強く感じたことの一つが「知識」の大切さです。
赤池さんは被害当時8歳ということで、逮捕された加害者の名前も属性も行為の意味も、何一つ知らされませんでした。
両親には「そのまま忘れていってくれれば」という願いがあったようです。
でも、成長すればいずれは行為の意味を知るし、中途半端に知ることになった場合、赤池さんのように過度のショックを受けることもあるわけで……。
赤池さんは強迫性障害を発症しますが、根っこにある「性被害」のことは17歳まで見過ごされ、その後も適切なケアを受けたとは言い難い状況が続いたのでした。
それもこれも、一言でいえば、周囲の「男児の性被害」に関する知識のなさが原因だったと感じます。

性暴力被害者支援情報プラットフォーム「THYME」を運営する卜田素代香さんが、
「知識はやさしさ」
と言っていたことを思い出します。
身近な人が性被害に遭った時、その人を本当の意味で助けられるかどうかは、良心より知識であると。
連載の中での今回のテーマは「被害者・家族へのケア不足」。被害直後から適切な知識を届けられるようなケアの充実が望まれます。
「自分と同じような子どもをこれ以上増やしたくない」という赤池さんの願いが皆さんに届けば幸いです。
記事のリンクです。前編後編あります。無料抜粋記事はこちら。

※当面、このサイトでは当連載関係の案内のみ更新予定です