22日の東京新聞・中日新聞で、『バタフライ 17歳のシリア難民少女がリオ五輪で泳ぐまで』(ユスラ・マルディニ著)の書評が掲載されました。
シリア出身の著者は、2016年のリオ五輪で難民選手団の一人として出場した競泳選手で、世界中から注目を集めました。
本書では、シリアで暮らした日々、シリア〜ドイツの逃避行、ドイツでの現実と五輪への切符をめぐる光と影、でだいたい3分の1ずつページが割かれています。
面白いのは、「競泳選手」という側面に偏らず、今どきのティーンエイジャーの身に起こったこととして自身の歩みを伝えている点。
シリアで一度は水泳を捨て、突然暇を持て余すようになって夜遊びを始めるくだりは、部活動をやめた日本の高校生の行動そっくり。
ファストフードやユーチューブが好きで、SNSを駆使するあたりも、遠い国の子という感じがしません。
一方で、世界中から過度に称賛されるようになることで、戸惑いや家族との衝突が生まれますが、それを乗り越えた時の彼女の成長ぶりには目をみはるものがあります。
これはやはり著者と同世代の人たちに特に読んでほしいです。
気になる方は、まずは書評をご覧ください。