「インターネットメディアアワード2023」選考委員特別賞を受賞しました

このたび、「インターネットメディアアワード2023」選考委員特別賞を受賞しました。
対象となったのは、拙記事「教師から性暴力、34年後の勝訴 「重い扉」開けた男性の願い」(Yahoo! ニュース特集で昨年11月公開)です。

23日には、インターネットメディア協会で授賞式がありました。
以下のようなスピーチをしました。

栗栖さんが「前は自分の性被害を人に話す時、この記事を見せていたんです」と言って、ある記事のコピーを見せてくれたことがあります。
それは、女児が教師から性暴力を受けたという内容でした。
栗栖さんは「自分はこれと同じ目に遭った」と説明していたそうです。しかし反応は「でもあなたは男でしょう」という感じで、聞く耳をもってもらえないことがほとんどだったそうです。
最近栗栖さんと再会すると、「今はヤフーの記事を見せて自分のことを話すことができます」と以前とは見違えるような表情で話してくれました。

この記事のタイトルに「重い扉」とあります。これは栗栖さん自身が、本人訴訟によって、裁判所に自分の性被害を事実認定してもらうという重い扉を開いたという意味で、こういうタイトルがとられています。
ただ、それは栗栖さん個人の問題にとどまりません。栗栖さんの実名でこの記事が世の中に発信されたとき、男子の性被害の認識に乏しかった日本社会の重い扉もまた開いたのではないかと思っています。
栗栖さんが開いた重い扉。その流れを後戻りさせないよう、今回の賞を励みに引き続き力を尽くしたいと思います。

……改めて、関係者の皆様、ありがとうございました!

(画像は高橋宗正さん撮影)